マリコ・ポーロ
~境内の井戸の隅にも 三つ鱗(これなんだったのだろう?瓦?屋根の装飾?)~
我ら小田原北条ファンの大本山、箱根「早雲寺」の寺宝公開に参加させていただきました。
以前は『曝涼』として毎年秋に3日間連続で催され何度か足を運んでおりました。しかしコロナ禍などを経て先のブログ記事にも書いたように、現在のところは年に以下3日の予約制での公開となっています。(以前の曝涼のブログ記事は文末に添付)
▲ 10月4日
達磨忌の前日
▲ 12月8日
釈迦尊成道会
▲ 2月15日
釈迦尊涅槃会
なかでも先日12月8日の「成道会」はお釈迦様が悟りを開いた日として、花まつり・涅槃会と並び「釈迦三大法要」のひとつだそうです。臨済宗だけではなく仏教各宗派にとってとても重要な日なのですね。
菩提樹の下で座禅を組み続けた6年間。どういう瞬間に「悟れた」という感覚?になったのか…なんて思うのは俗物のマリコ・ポーロ。御住職のお話を伺いながら、昔観た映画「リトル・ブッダ」の悟りのシーンがモワ~ンと頭に浮かびました。
~開山堂から本堂を臨むの図、屋根の主棟の三つ鱗が晩秋の日をうけいと煌し✨~
そんな大事な日に拝む、新九郎さん(宗瑞)・氏綱さま(所説あり/文末添付)・氏康どの の釈迦三尊像ならぬ北条三肖像。ありがたし🙏
禅宗ではお釈迦様を現実の人間としてそうですね。へえ~~🤔などと、温かいお部屋で御住職による早雲寺や北条のお話を拝聴した後は本堂の見学です。寒いので、いったん脱いだダウンをまた着ます。2月に拝観される方は厚手のソックスのご用意をもう1枚。御住職はお寒くないのかとちょっと心配。
本堂の襖絵は38面(県指定重要文化財)。江戸時代前半の伝狩野派の水墨画です。
江戸時代だからまだ新しいではないかと歴史ファンは思うかもしれません。かく申すマリコ・ポーロも、北条をよく知らないで温泉へ行っていた頃はそうでした。でもよく考えてみたら江戸の初期。すでに400年も前に描かれたものなのです。それが、ここまで揃って、しかも当時そのままの姿で本堂で観られるのです。
竜虎の絵なんて素っ晴らしいですよねえ。
しかし、そのままの姿であるがゆえに山水図などはかなり劣化してきています。もったいないけれど、博物館に入れられて何年も修復で観ることができなくなったり、本堂にレプリカが据えられたりするのも寂しいし……。
あ!あと、
このところ、秀吉が軍勢を率いて……いや、ちゃうちゃう✋ お猿さん🐵が集団でやって来るようになったそうです。だから扉は必ずビッチリ閉めているそうな。破かれたら大変!
~山門は車で行ったり駅から歩いて登ってくると、この先の中門から入ってしまうのでなかなか通らない(扁額「金湯山」は朝鮮通信使の揮毫)~
早雲寺は宗祇、雪村はじめ数々の文化人も訪れ、以前ブログに書いた今も残る祐泉寺(三島)、広徳寺(現在は練馬)、栖徳寺・願修寺・伝心庵(小田原)はじめ末寺も北条領域にあまたありました。
臨済宗大徳寺派(関東竜泉派)の名刹です。
天正18年。箱根湯本全域は、秀吉が石垣山に陣を移す際に焼き払われます(永禄に信玄殿によって一度焼かれたとも)。箱根湯本には宗瑞、氏綱、氏康やその室・子供たちのために建てられた塔頭が林立していましたが、それらはすべて灰燼に帰し、山内の図面も残らず所在が不明です。
氏康の大聖寺の跡が「湯本温泉の上の藪の中」にあると早雲寺の古い記録にはあるようだけれど、たぶん、すべては私達がまったり浸かっている温泉♨️の下に埋もれているのでしょう……。北条ファンなら、手を合わせてから🙏温泉に入らねばなりませぬ(そこまで?)
~数年前拙書をいきなり送り付けた(すみませぬ…)御礼に何かお供えをと韮山の「江川酒」を~
本堂から眺める庭の写真は、私がスマホで撮ったヘボイ写真ではその絶景感を表わせもせで。早雲寺さんに申し訳ないので載せません。素晴らしいカメラと技で撮られた紅葉の庭の写真を他の方々がブログやSNSにあげてらっしゃいますので、そちらをご覧あれ。
まーあ綺麗でしたよ🍁参加者の方々からどよめきがあがりました。
「庭は北条幻庵の作と言われるが、焼けたのではないの?」と思われる皆様、境内にちゃんと説明板があります。
江戸時代前期ではないかと。
「室町時代以降の禅宗式枯山水石庭が東日本では極めて少ない…」そうで、こちらも貴重なのですね。
特別公開は来年2月にもあります。予約制です。もしかしたら、雪の早雲寺が見られるやもしれませぬの!
詳細はこちら→「箱根湯本観光協会」
早雲寺さんに興味ある方は、2021年に神奈川県立歴史博物館で開かれた「早雲寺 開基500年記念-戦国大名北条氏の遺産と系譜-」の分厚い図録をお取り寄せくださいませ。
🍷 これまで早雲寺さんについて書いたブログの極一部ですが以下。
「籠城中に自害した、早雲寺住持」
「③小田原城内の広徳寺は、どの太田源五郎の菩提寺か?」
「早雲寺の曝涼 2010」
「「北条氏綱像」は後世に改変されたのか?」
「「早雲 足洗いの湯」 箱根湯本」
🍷 拙書『北条五代の娘たちー姫君たちの足跡を追って』『早き雲と青き空を追いかけてー伊勢新九郎・北条氏照見聞録』販売中 →「拙書を増刷しました」
マリコ・ポーロ
🐱コメント欄は公開させていただいてはおりませぬがご感想なりいただければ嬉しいです。写真は全てマリコ・ポーロが撮りました。