マリコ・ポーロ
明日の命さえ定かではない日々の中で、「戦国武将たちは、持って行き場のない気持ちを笛にたくしたのでは…」
と、一節切(ひとよぎり)奏者の大村響堂 氏。
母屋の広縁に続く座敷で、心地好く吹き抜ける秋の風を感じながら目を閉じて聴く「一節切」の音色。奏でるは幻庵殿。周りに座すは北条一門かと妄想に浸る。
~「一節切」を奏でる大村氏(ご許可をいただき掲載)。後ろの書は、飯山家所蔵の山岡鉄舟。~
秋の日の昼下がり、キャンパスおだわら の「古民家で学ぶ下堀と北條幻庵」という素敵な講座に参加して参りました。
~築100年の飯山家。かつては華道の先生で、大正時代、小田原鴨宮に駅を誘致した住民運動のリーダーだった方。~
この日の「一節切」は、大村氏が天守閣に寄託している本物の北条幻庵作の一節切(「なんでも鑑定団」に出たアレ) のレプリカです。本物に忠実に作っても、四百年前の本物の音色とは、そりゃあ違うそうです。
いつか聞いてみたいねえ。四百年前の、その音色。しかし、笛は残れど譜面がまったく残っていないので、曲も譜面も後から研究(&想像)して作られたものだそうです。
ご存知のように幻庵は一節切の名手でしたが、北条一門は皆、一節切を奏でることが出来たであろうとのこと。
本城に一門が集う時、また、それぞれの城で夜一人、御曹司たちは「持ってゆき場のない気持ちを笛にたくして」奏でたのでしょうか。
「一節切」については以前たくさん書いておりますので、その一部ですが、こちらをあわせて読んでくださると嬉しいです。→戦国武将が愛好した尺八 「一節切」http://maricopolo.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/post-8c55.html
最後は皆でお稽古用を使って尺八の音出し体験。大村氏は尺八や一節切を教えてらっしゃるそうで、「小田原で、 幻庵を偲んで皆で一節切を奏でる会を開くのが夢」とのこと。小田原鴨宮の下堀方形館
~石井先生の画像~
前半は、小田原郷土史研究家の、お馴染みの石井啓文先生による下堀方形館と賀茂宮氏の話でした。下堀は、北条時代、北条幻庵やその内室の領地でした。
下堀に二重の掘
来年1月、キャンパスおだわら で、石井先生による幻庵についての3回連続講座があるそうですよ。
小田原、いつもありがとー。
う~~、現実に帰りたくない。浸り過ぎた~
「北条幻庵の、伊豆の屋敷と菩提寺「金龍院」」
http://maricopolo.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/post-df1a.html
「北条五代の娘たち① 今川から戻った長松院様」
http://maricopolo.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/post-3132.html
「北条幻庵の妻は、葛山氏ではないだろうか?」
http://maricopolo.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-d602.html
北条幻庵の子息の菩提寺「三島 祐泉寺」
http://maricopolo.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/post-200a.html
戦国武将が愛好した尺八 「一節切」
http://maricopolo.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/post-8c55.html
萩真尼 こと マリコ・ポーロ
画像は全てマリコ・ポーロが撮影しました。コメント欄をもうけております。公開させていただいてはおりませぬが、ご感想なりいただければ嬉しいです。